ミレニアル世代の行動変容はB2Bでも

企業が最高情報責任者(CIO)を自社の戦略的成長の推進者に位置づけることは、特に新しい考え方ではありません。しかし現在ではCIOの役割の中でも、「企業の利益増大を助長する」という側面がますます強くなりつつあります。これは、購買決定を左右する新世代のビジネスリーダーに対して企業がアプローチする上でCIOが格好の立場にあるからです。

ミレニアル世代(一般に40歳未満の成人に分類される人)は現在、先進国の就業人口の大半を占めています。この世代は商品購入をはじめ、ほぼすべての側面でデジタル志向が強い世代でもあります。根っからのオンラインユーザーであり、オンラインで快適に買い物を楽しんでいます。

B2Cの文脈では、ミレニアル世代の商習慣はよく知られていますが、B2Bの観点で彼らの行動にどのような変化が起きているかはあまり知られていません。しかし、変化は確実に起きています。2020年の時点で25歳以上のミレニアル世代は、企業の意思決定を担う部門の一員になっている可能性があります。中には意思決定者そのものという人もいるでしょう。

 

ミレニアル世代を惹きつける上でCIOがキーマンになる2つの理由

こうした背景もあり、B2B企業では現在、ミレニアル世代の購買意思決定者をターゲットに定め、セールスエンゲージメントのアプローチを変えようとしています。

近年実施された世界規模の調査によると、ミレニアル世代はB2B製品やサービスを導入する際に、年上の世代が利用しないような情報チャネルを積極的に活用していることが明らかになっています。その違いを示したものが以下です。

  • 40歳以上の社員の場合:
    市場の動向を知りたいときには対面での情報収集を優先します。その相手は同僚や仕事仲間、アナリストなどさまざまです。
  • 40歳未満の社員の場合:
    最初からソーシャルメディアを利用する傾向にあり、対面での会議に依存する割合は上の世代よりはるかに低くなります。この世代にとって購入とは「オンライン購入」を意味します。

ではミレニアル世代の購買層の心を動かして関心を引くために、なぜCIOは中心的な役割を果たせるのでしょうか。

まずCIOは、テクノロジーと技術的な達成目標について経営陣のほかのどのメンバーよりも詳しくなることを使命とする存在だからです。ミレニアル世代の取引相手が新規のパートナー企業であれ、重要なクライアント企業の新入社員であれ、CIOはデジタルツールを使って相手の関心を引く方法を理解する上で最適な立場にいるのです。

もう1つ、CIOは、長年にわたってシャドーITという形で機能部門や事業部門の仲間たちと連携してきました。そのような背景から、CIOはテクノロジーソリューションを通じてビジネス目標を達成するためのコラボレーション手法を編み出すことに長けているためです。

つまり、例えば最高マーケティング責任者(CMO)、最高デジタル責任者(CDO)、最高人事責任者(CHRO)、営業部長が集まり、デジタル技術でミレニアル世代を惹きつける方法を考える場は、CIOが活躍できる絶好の機会と言えます。CIOは、ターゲット層である企業アカウントに属する40歳未満の社員の心を惹きつける購買プロセスを編み出す方法を知っているのです。

そのプロセスに含まれるものは、ソーシャルセリングツール、チャットボット、その他AI対応のデジタルインタラクションなどあらゆる方法が挙げられます。社内的には、エンプロイ―ジャーニーにもデジタルツールで変革をもたらすことができます。

 

次なる「Z世代」をどのように考えるべきか

1995年以降に生まれたZ世代についてはどのように考えるべきでしょうか。Z世代のメンバーはさらにデジタル志向が強くなっており、12カ国を対象とした調査によると、15歳~18歳の75%以上は、スマートフォンの代わりとなる「チップ」を体内に埋め込むことに抵抗感がありません。インドではその割合がなんと95%に達しています。次に職場に入ってくるのはこのZ世代です。

将来的な取引相手になるであろうこのZ世代を取り込むために、どのようなデジタル手法を取り入れていけばよいのか――。それを率先して見出していく存在がCIOなのです。