「 産業用IoT は、プライベートワイヤレスの需要に牽引された転換期にあります」

 

ある世代の人なら誰でも、Nokia を世界有数の携帯電話メーカーだと考えているかもしれません。しかし実際は、同社は2014 年に携帯事業をMicrosoft に売却し、現在は企業やサービスプロバイダーへのデータネットワーキング機器、ソフトウェア、サービスの提供を専門としています。

フィンランドのエスポーを拠点とする同社の成長戦略は、買収を中心としています。近年、Nokia はMotorolaのワイヤレスネットワーク事業、Comptel、Gainspeed、Unium、SpaceTime Insight、Alcatel-Lucent (BellLabs を含む) を買収しました。5G、IoT ( モノのインターネット)、主要垂直産業への拡大といった新しい分野にも投資しています。

Nokia は大企業であり、直近の会計年度の純売上高は225.6 億ユーロ ( 約250 億ドル) でした。同社は世界中で10 万人以上の従業員を雇用しています。

カール・ブリーム氏は2015 年に合併されたAlcatel-Lucent からNokia に加わりました。Alcatel-Lucent では、企業戦略、マーケティング、営業、事業開発において最高幹部の職位を歴任しました。

 

――Nokia の新しいEnterprise Group とその定款について教えてください。

Nokia の成長ミッションの一環として、2019 年1 月にNokia Enterprise という事業部門を立ち上げました。
Nokia は、おそらく10 ~ 20 年間、エンタープライズ事業に投資してきており、主に運輸、エネルギー、公共部門でミッションクリティカルなネットワークを構築してきました。私たちは、事業が大きく成長したと感じ、プライベートワイヤレスネットワークと産業用IoT にさらなる機会を見出したため、この新しい事業グループを発足させることにしました。

私自身の主な仕事は、産業用IoT の市場においてNokiaが目指すべきポジションを考え、エンタープライズ企業やサービスプロバイダーのお客様向け製品・サービスのポートフォリオを構築することです。

 

――どのような主要テクノロジーに取り組んでいますか?

産業用IoT は、プライベートワイヤレスの需要に牽引された転換期にあります。特に資産の大きい企業は、ビジネスの機能、運営、プロセスをデジタル化し、社内の機器類のデジタルツインを作成することを目指しています。既存のWi-Fi ネットワークは、新しいレベルのレイテンシやパフォーマンスを必要とする産業の需要に応えることができないため、こうした状況はチャンスであると判断しました。Wi-Fiが多くのオフィスでのユースケースをサポートし続ける一方で、今後より多くの産業分野でLTE または5G ネットワークが新しいレベルのサービスを求める企業の期待に応えていくと考えられます。

そして、こうした分野にNokia Enterprise が参入し、プライベートワイヤレスを必要とする産業界のお客様を拡大、サポートすることができます。さらに私たちは、プライベートワイヤレスが特に大きな価値を提供すると考えられる製造と物流部門に関する専門知識を築き上げました。私たちはこの産業に大きく注力しています。

Nokia Enterprise は急速に成長しており、産業用IoT に対する需要がその成長と進化を加速しています。

 

――Nokia のIoT 戦略も監督なさっていますね。

その通りです。Nokia のIoT 戦略はCSP ( 通信サービスプロバイダー) 向けの事業とその他の業界向けの事業の両方に及ぶため、私はNokia で2 つの役割を担っています。
CSP のお客様は、エンドカスタマーである消費者と事業会社のニーズに対応するための、高度なパフォーマンスとセキュリティを備えたネットワーク接続とアプリケーションプラットフォームの開発支援をNokia に求めています。私たちは、NB-IoT (Narrow Band IoT) や5G などのネットワークソリューション、サービス加入者およびデバイスを管理するIoT プラットフォーム、WING (Worldwide IoT NetworkGrid) プラットフォームでこうした要望に応えています。

 

お客様は、プライベートネットワーキングソリューションや産業用IoT の自動化によってビジネス課題を解決することをNokia に望んでいます。

 

同様に、CSP 以外の業界のお客様は、プライベートネットワーキングソリューションや産業用IoT の自動化によってビジネス課題を解決することをNokia に望んでいます。私たちは今、プライベートLTE によるネットワーキングに取り組んでおり、次にプライベート5G にも取り組みます。また、Nokia Digital Automation Cloud (NDAC) やアナリティクス& IoT のポートフォリオを通じて、デジタル化と産業オートメーションのチャンスにも対応しています。これらのソリューションは、運用の最適化やセキュリティ強化、デジタル化とミラーリング/ ツイン化、状態監視保全といった企業の取り組みに役立ちます。

 

――グローバルなIoT 展開に最適なNokia のマネージドサービスであるWING (Worldwide IoT Network Grid) について教えてください。

WING は、CSP のお客様が特に多国籍企業向けに価値を生み出すことを支援するプラットフォームです。いくつかのCSP はグローバルに大きな存在感を示していますが、グローバルに分散されたクラウドネイティブのコア上に構築されたWING の従量課金制サービスは、接続とアプリケーションを含むIoT ソリューションを迅速に提供できるため、グローバルに大きく事業を展開しているいくつかのCSP を含む多くの企業にとって魅力的です。これにより、数十や数百のCSP と一対一で契約するよりもずっと迅速に、多国籍企業が必要とするカバレッジを得ることができます。
さまざまなサービス規模のお客様がWING を利用していますが、すべてのお客様がWING を活用して顧客にグローバルなサービスを提供することが可能になっています。

WING はIoT の接続だけでなく、アプリケーションもグローバル規模で提供します。WING のアプリケーションには、物流、資産管理、スマート農業・畜産管理などのサービスが含まれ、すべて従量課金制で提供されます。

Nokia は先日、WING サービスを含むMicrosoft とのパートナーシップを発表しました。このパートナーシップにより、IoT アプリケーションと関連する接続がグローバル規模でより簡単に利用できるようになると確信しています。

 

――新しい業界へのビジネス拡大も、Nokia の成長戦略の1つです。あなたにとっての主な重点領域は何ですか?

Nokia は、運輸、エネルギー、公共部門の業界と長年にわたる強力な関係があります。2000 年頃にミッションクリティカルなネットワークの移行を開始したこれらの業界は、Nokia が構築したネットワークとそのパフォーマンスを高く評価しています。今もNokia は、これらの顧客のプライベートワイヤレスネットワークの構築や産業オートメーションや分析ソリューションの展開を行っています。現在、私たちはこれらの業界に関連する港湾、鉱山、電力設備などの領域をリードしており、Nokia のソリューションは大きな投資利益をもたらしています。

これらの業界から拡大して、私たちはハイパースケールのハイブリッドクラウドネットワークへの移行をサポートするテクノロジーをWeb 業界の企業に提供し始めました。すでにこの業界に複数の主要なお客様があります。

さらにNokia は、産業オートメーションと産業用IoT の導入で先頭に立つ製造と物流のお客様へのサービスも開始しました。これらの業界のお客様は、新しいネットワークによってもたらされるセキュリティ、レイテンシ、モビリティ、パフォーマンス、さらには総所有コストの低減を実現するためにプライベートワイヤレスに投資しています。